2008 F1 – 10th –
ドイツGP ホッケンハイムリンク
「ホッケンハイムの森には妖精が住まう」といわれているほどに美しい森シュバルツ・バルト(黒い森)。
その側にかつての超高速サーキットがある。
2001年のオフシーズンに大改修を行い、最高速度とコース距離が大幅に減少され超高速サーキットから近代的な中高速サーキットに生まれ変わった。
安全面が確保される一方で、象徴だった超ロングストレートやクラーク、オスト、セナの各シケインは姿を消し、360km/hでこの森の中を駆け抜けるかつての高速バトルはもう見られない。
ドイツ国内ではニュルブルクリンクと交互開催となっているグランプリだが「ドイツGP」はホッケンハイムが所有しているため、去年のニュルブルクリンクは「ヨーロッパGP」と言われていた。
今年はホッケンハイムでドイツGPが開催されているため、ヨーロッパGPはドイツ以外で開催(バレンシア市街地予定)され、来年以降については未定となっている。
某日本人実況アナウンサーがこのコースでクラッシュしてしまった車に対し、「この森には妖精ではなく悪魔がすんでいた!」などと発言したため日本では悪魔や魔物がすんでいることになっている。
開催時期もあり晴天になれば路面が非常に高温になりやすく、タイヤに厳しいコースといわれているためタイヤの使い方が勝敗を分けるといわれている。
今年のブリヂストンは例年通り路面が高温になることを見越し、最も硬いハードコンパウンドをプライマリとし、ミディアムコンパウンドをオプションとして持ち込むが、天候が優れず(曇り)路面温度はあまりあがらなかった。
# ドライタイヤは ←硬 ハード ・ ミディアム ・ ソフト ・ スーパーソフト 柔→ の4種があり
# 各グランプリで隣り合う2つのタイヤがタイヤメーカ(ブリヂストン)により持ち込まれる。
# そのうち硬いほうを便宜上、ハード側(プライムタイヤ)、
# 柔らかいほうをソフト側(オプションタイヤ)と呼ぶ。
# ソフト側のタイヤにはトレッドに白いラインがつけられ、ドライバーがどちらのタイヤを
# 履いているか観客にもわかりやすくなっている。
さて。。。
去年ハミルトンはレース中トレッドが完全にはがれてしまうほどにタイヤに厳しい走りをしていたわけですが(それでもなぜかタイヤの使い方がうまいと言われていた)、その厳しい走りが今回は幸いしたようです。
曇天で路面温度が思うほどに上がらず、ライバルたちがうまくトラクションを活かせなかったのに対し、タイヤに厳しい≒タイヤに熱が入りやすい走りをしたハミルトンにはちょうどよかったコンディションだったようですね。
最終スティントで、コバライネンが前を明け渡すというなんとも弱気な行動に出たのはどうなんだろうと思うところではありますが。。今年2度目でしたっけ?
コバライネンももうちょっとアグレッシブにいけないものか。
そして今GPで戦術がどんぴしゃに当てはまったのが、ルノーのルーキー、ピケJr.でリザルト2位。
中嶋一貴と同様、今年からの新人として注目されていましたが、中嶋が8ptに対し今まで成績は振るわず2ptしか取れていませんでした。
それをこのGPで一気に抜き去り計10ptになるというよくわからない結果に。
ピケJr.のチームメイトで元ワールドチャンピオンのアロンソはピケJr.を「彼は宝くじに当たったようなもの」とあまり深刻に捉えていなかった一方、レッドブルのウェーバーは
「17位からレースをスタートした人間が、わずか1台、中嶋一貴のウイリアムズを抜いただけで――しかもそれは彼がスピンしたからだ――、あやうく勝ちそうになるなんて、全くプロ(のスポーツ)ではないと思う」
と、現在のセーフティカー制度をバッサリ。
「それもレースだ」といえばそうかもしれないけれど、私個人的にもセーフティカー制度には批判的な意見を持っているのでもっと公平で安全なルールを考えないといけないのかもしれません。
# クラッシュマシンの撤去作業中もコース上に100Km/hを超えるスピードで走っている車が存在するため、マーシャルの安全が確保できない。
# コース上に車が居るため、コースに散らばったクラッシュしたパーツを回収しきれない。
# クラッシュしたパーツを回収しきれないため、そのパーツを踏んでしまった別の車が連鎖的にトラブルやクラッシュに遭遇する可能性がぬぐえない。等
セーフティカーの利点としては、レース開催時間の短縮くらいですかね。セーフティカー出動中も周回はカウントされますからね。
しかしライコネンが勝てない。
このドイツGPではいいところの無かった彼ですが、第4戦から第9戦までの6レースでファステストを出しているライコネンが、4戦目のスペイン以来勝利していないというふがいない結果になってるのもどうしたものかと。
ファステストは出せているのでマシンは大いに戦えるポテンシャルを持っていると考えられるのに、こうも勝てないのは戦略が悪いとしか思えない。
今回はセーフティカー+マッサとの同時ピットインで一時12番手まで順位を落とす始末。
以前より「コースで抜けないならばピットで抜く」といういわゆる「フェラーリイリュージョン」とまで呼ばれた戦術があったのに最近はまったくなりを潜めています。
はぁ。。。ドメニカリやめてしまえ!トッドを戻せ!
ま。ライコネンとホッケンハイムは以前から相性悪いんですけどね。。。
シーズンは後半戦に突入。
ドライバーズタイトルの上位順位に変動は無く、ライコネンとハミルトンの差は残り8戦で7pt。
十分逆転可能圏内ですがこのような状況ではこの先も思いやられます。
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